一括返済のその先にある「時間の選択」
以前ブログで書いた、住宅ローンの一括返済に関しての続きのお話です。
前回の記事はこちらからどうぞ。
繰り上げ返済は、いつかの“自由”を先に手に入れる方法
「繰り上げ返済って、したほうがいいんでしょうか?」
住宅ローンにまつわる相談で、必ず出てくるこの質問。
けれど、暮らしの診療所はこう答えます。
それは「いくら返せるか」ではなく―― 「いつ、自由になりたいか」で考えるべき選択です。
そしてこれは、一括返済の“第2話”。
一括返済も繰り上げ返済も、呼び名が違うだけで本質は同じ。
あなたの「これからの時間」と「これからのお金」を、どう使いたいか。
その設計図を描くための選択肢なのです。
第1章|繰り上げ返済を考える、その“年齢”に注目
住宅ローンの繰り上げ返済を真剣に考え始めるタイミングは、多くの方が「60歳」「65歳」になる頃です。
そのとき、いくら住宅ローンが残っているか――実はこれが最大のポイント。
例えば、今30歳で3,000万円の家を、固定金利1.25%で50年ローンを組んだ場合と、一方で10年後の40歳で同じ3,000万円相当の家を購入するとどうなるか?
この差、想像以上に大きいと思いませんか?
第2章|金利が生む“重さ”――返済額の内訳から見える真実
ここで、返済額に含まれる“金利”の割合を比べてみましょう。
例えば1,000万円を借入期間40年で借りた場合の当初10年間の金利割合で計算してみましょう。
今の金利1.25% | 10年後金利見込み3.45% | |
返済総額 | 318万円 | 461万円 |
借入元金 | 205万円 | 139万円 |
金利 | 113万円(=35.5%) | 322万円(=69.9%) |
今の金利1.25%だと、返済総額 318万円となり、うち借入元金205万円、うち金利 113万円(=35.5%)となります。
10年後金利見込み3.45%で計算すると、返済総額 461万円で、うち借入元金139万円、うち金利 322万円(=69.9%)
つまり、金利が上がれば上がるほど、同じ返済をしていても「元本がほとんど減らない」状態になるのです。
昔の住宅ローン(金利8%、借入期間30年)では、なんと最初の10年で返済額の99.5%が金利だった時代もありました。
それでも祖父母たちは家を建て、暮らしを守ってきたのです。
第3章|繰り上げ返済は、家を買うときから始まっている
繰り上げ返済の“カギ”は、実は次の3つで決まります。
- いつ買うか?(=住宅価格の上昇前か後か)
- いくらで買うか?(=手が届く価格のうちに)
- 金利がいくらの時に買うか?(=低金利のうちに)
住宅価格はこの5年間で平均31%上昇。
年利で言えば5.55%の複利成長。
本来なら(資本主義経済の原則なら)住宅ローン金利も10%になっていてもおかしくない時代。
それが今、10年固定金利1.25%――これは「異常な低金利」です。
今、買えば、低金利を味方につけたうえで、
将来の繰り上げ返済も“選べる”人生をスタートできます。
第4章|“自由に使える時間”を、前倒しで手に入れる
60歳や65歳でローンがほとんど残っていないとしたら、 そのときのあなたは、、、
- 趣味を楽しむ時間があるかもしれない
- 子どもや孫の思い出づくりに時間をかけられるかもしれない
- 何かあったときでも「住まい」だけは守られている安心感があるかもしれない
繰り上げ返済とは、未来の“自分の時間”を、少しずつ取り戻す魔法のような方法なのです。
第5章|暮らしの診療所が伝えたいこと
繰り上げ返済は「ローンを減らす」話ではなく、 「暮らしを軽くする」話です。
そしてその準備は、
- 家をいつ買うか
- どんな金利で借りるか
- どんな未来を描きたいか
その“最初の一歩”から、すでに始まっています。
おわりに|未来の「あなた」へ、いま贈れること
ローンを返すことも大切。
でも、「安心を手に入れる順番」を間違えないでください。
「繰り上げ返済できる人生」
その入口は、「今」という時間の中にあります。
暮らしの診療所は、
その一歩を、あなたと一緒に描いていきたいのです。
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